バカの壁

流行に(あまり)乗らないオイラは,遅れて乗ることがよくある.
というわけで,既に第三弾が出版されているのに,最初の「バカの壁」を読んでみた.

バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

正直な感想としては,それほど唸るわけでも感銘を受けるわけでもなく,淡々と読み進んでしまった.この本を読んだキッカケは,ジブリの制作日記を読んでいて,「おもしろそうやん」と思ったから.この日記の作者は,次のようなことを書いていた.
特に興味深かったのは、「自分なんて無い(原作では「私は私、ではない」)という、価値観が記されていた箇所。現代人は、情報は日々刻々と変化し続けるが、自分は変わらない、自分には絶対不変の「個性」があるという勘違いをしている。しかし、本来は逆の筈。情報は不変だが、人間は、内面・外面共に変化し、流転してゆく存在。そんな自分を、「変わらない個性のある自分」と思いこむのは、間違っているのではないか? 頭だけではなく、身体も大事にしなければ、まっとうに生きてゆく事は出来ないのではないか? 同書は、身体論・共同体論・教育論にまで枝葉を伸ばしながら、都市化して現代人が失ったものを、解き明かしてゆきました。

そして,バカの壁には「君子豹変す」という言葉が,しばしば登場します.この言葉の意味は…
立派な人物であるほど、自分が誤っていることが分かれば、きっぱりと言動を変えます。過去のことにとらわれたり、アドバイスしてくれた人のことをうらんだりすることなく、スッキリした形で、変身することができるのです。
だそうです.

確かに,自分は変わらないと思い込んでいる節があるなと思った.そして,そんな変わらない自分でいることが,良いことであるかのように漠然と考えていたかもしれない.
この本に書かれているように,確かに人は変わるものである.変化する自分を受け入れ,どのように変化していくか...どうせ変化するなら,自分の目指すもの,自分の中でのなりたい自分,自分の中にある頂を目指す自分,そんな自分に変化していきたいと思う.思い返せば,あんな風になりたいと誰もが思うはずだが,この時点で自分が変化することを望んでいるではないか.一方では,自分は変わらないと思い,もう一方では変わりたいと願う.この矛盾を認識し,ちゃんと自分で消化することが必要なんでしょうね.
そして,もう一つこの本に書かれていたことは.
人の気持ちがわかるようになりなさい.